1度目の死産(10)

 

朝の処置の時間になりました。
またあの痛みが始まるのかと憂鬱になります。

 

呼ばれて診察室に行き処置台に座ります。


でも、しばらく待ったのですがなかなか始まりません。

 

奥で医師同士で何か話をしています。

「妊婦には禁忌だから」

そんな会話が聞こえて不安になりました。

 

何が禁忌なんだろうか。
私のことなんだろうか。
私のことなら、私はもう妊婦ではないのだろうか。

 

そして少しして医師が戸惑ったように私に話しかけます。

「えっと…トロさん、今日産めそうですけど…どうしますか?」

 

 

意味がわかりませんでした。

スケジュールでは出産日は明日の予定です。

「えっ!?明日じゃないんですか?」 

おもわず聞き返します。

「それが…昨日の段階で目標の本数が入ったみないなので…
今日でも出産は可能です。」

 

急に言われても夫や母には明日と言ってあります。
昨日の夕方の処置が痛かったのは、やっぱり予定より多く入れてあったんだと理解しました。

今も腰やお腹が少し痛くなっていました。
身体的には早い方がいいかもしれないと感じます。

でも赤ちゃんと1日早くお別れになってしまう…。

 

 そう思ったら躊躇しました。

 

医師が「家族と連絡とれますか?それによって今日か明日か決めましょう。」と言いました。

 

続き↓↓

1度目の死産(11)

 

 

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